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サカタのタネとは

株式会社サカタのタネは神奈川県横浜市に本社を置き、1913年創業、1942年設立の老舗企業で、東証プライム市場に上場しています。主な事業は「種子・苗の開発・生産・販売」で、野菜や花の種苗分野で国内外に広く展開しています。
事業内容は大きく分けて3つあります。
1つ目は「国内事業」で、野菜や花の種子・苗の販売を中心に、園芸用品や農業資材なども扱っています。農家や生産者向けだけでなく、家庭園芸用の商品も提供しています。
2つ目は「海外事業」で、世界各国に販売網を持ち、海外の種子会社との提携や現地生産を行っています。特にアジアや欧州、南北アメリカなどで事業を展開しており、グローバルでの売上比率も高いのが特徴です。
3つ目は「その他事業」で、緑化事業や造園関連の事業、流通センターの運営なども行っています。
同社は、野菜や花の新品種の開発力に強みがあり、長年にわたり農業分野の発展に貢献してきました。特にブロッコリーやカボチャ、花の種などで高いシェアを持っています。研究開発にも力を入れており、世界各地に研究拠点を設けています。
全体として、サカタのタネは農業・園芸の基盤となる種子ビジネスをグローバルに展開している企業で、国内外で安定した需要があるのが特徴です。
サカタのタネ 公式サイトはこちら直近3年間の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
当期純利益 (百万円) |
一株益(EPS) (円) |
一株配当(DPS) (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年5月期 | 77,263 | 10,918 | 12,304 | 9,489 | 214.0 | 55 |
| 2024年5月期 | 88,677 | 10,495 | 11,124 | 16,162 | 365.2 | 65 |
| 2025年5月期 | 92,920 | 12,257 | 12,311 | 9,711 | 222.6 | 75 |
| 2026年5月期(予想) | 96,500 | 11,400 | 11,700 | 9,500 | 219.5 | 75〜80 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年5月期 | 8,351 | -8,107 | -2,828 |
| 2024年5月期 | 6,966 | -4,248 | -4,218 |
| 2025年5月期 | 5,100 | 4,066 | -6,669 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 (%) |
ROE (%) |
ROA (%) |
PER(高値平均) (倍) |
PER(安値平均) (倍) |
PBR (倍) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年5月期 | 14.1 | 6.8 | 5.9 | ― | ― | ― |
| 2024年5月期 | 11.8 | 10.0 | 8.3 | ― | ― | ― |
| 2025年5月期 | 13.1 | 6.0 | 5.0 | 20.7 | 15.6 | 1.04 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
サカタのタネは、ここ3年間の業績と財務指標を見る限り、堅実な成長を続けながらも株価はやや割高感が薄れつつある安定株といえます。
まず、売上高は2023年77,263百万円から2025年92,920百万円へと着実に増加しており、安定した売上成長を維持しています。営業利益は2023年10,918百万円、2024年10,495百万円、2025年12,257百万円と推移しており、年度ごとに多少の変動はありますが、全体として利益水準は安定しています。
営業利益率は2023年14.1%、2024年11.8%、2025年13.1%と高めで推移しており、種苗業界の中でも高い収益性を確保しています。ROEは6〜10%台で、資本効率としては標準的ですが、ROAも5〜8%前後とバランスの取れた健全な水準です。経営の安定性が際立ちます。
一方で、2025年のPERは高値平均20.7倍、安値平均15.6倍、PBRは1.04倍と、株価は適正〜やや割安な範囲に位置しています。PBRが1倍前後というのは、企業価値と株価がほぼ釣り合っている状態を示しており、過剰に買われても売られてもいない、堅実な評価を受けていることを意味します。
総合的に見ると、サカタのタネは派手な成長性こそありませんが、収益力・安定性・財務健全性が高く、中長期で安定したリターンを狙える銘柄です。
業績のブレが小さいため、リスクを抑えた運用をしたい投資家には向いています。
短期で大きな値上がりを狙う銘柄ではありませんが、中期~長期で配当と株価上昇の両方を期待できる「守りの投資先」として優秀です。
配当目的とかどうなの?
サカタのタネは、配当目的の投資としては「安定重視型」には向いているが、高配当株とは言えないタイプの銘柄です。
2026年5月期の予想配当は「1株あたり75〜80円」で、予想配当利回りは約1.89%となっています。
これは、日本株全体の平均利回り(およそ2%前後)と比べてやや低めですが、同社の業績や財務基盤の安定性を考慮すると、長期で安心して配当を受け取れる水準と言えます。
サカタのタネは種苗事業という比較的景気に左右されにくい分野に強みを持ち、世界的にも安定した需要があるため、減配リスクが小さいことが特徴です。実際、これまでの配当も増配傾向を維持しており、配当政策にも一貫性があります。
ただし、配当利回りが高くないため、「配当で大きく稼ぎたい」投資家にはやや物足りないかもしれません。
一方で、「長期で安定配当を受け取りながら、業績の成長に合わせて株価上昇も狙いたい」という投資スタイルには非常に適しています。
今後の値動き予想!!(5年間)
サカタのタネの現在値は3,950円です。ここから5年間の株価を想定すると、次のような3つのシナリオが考えられます。
良い場合は、国内外での種苗事業が順調に拡大し、利益率も高水準を維持できるケースです。世界的な食料需要の増加を背景に、サカタのタネの海外事業がさらに伸び、配当も増配傾向が続くと考えられます。この場合、株価は5年後におよそ6,800円から7,500円程度まで上昇する可能性があります。
中間の場合は、現状の業績を安定的に維持しつつも、成長ペースが緩やかになるケースです。利益率やROEはほぼ横ばいで、配当は維持されるものの、大幅な増配は見込めません。この場合、5年後の株価は5,300円から5,800円前後で推移する可能性が高いです。
悪い場合は、為替の影響や原材料コストの上昇、海外市場の競争激化などで収益が圧迫されるケースです。利益率が低下し、投資家の評価が下がることで株価が下落する可能性があります。この場合、5年後には3,000円から3,200円程度まで下がるリスクがあります。
まとめると、サカタのタネは安定した事業基盤を持ち、堅実な経営が評価される企業です。配当も安定しており、長期保有に向く銘柄ですが、短期的な大きな値上がりを狙うタイプではありません。長期での成長と安定配当を重視する投資家に向いた堅実な銘柄です。
この記事の最終更新日:2025年11月2日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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