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ミネベアミツミ(6479)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

ミネベアミツミとは

ミネベアミツミは、世界トップクラスの精密部品メーカーで、超小型ボールベアリング、モーター、センサー、電子部品、半導体関連部品などを幅広く手がける総合精密部品メーカーです。特に「世界最小クラスのベアリング」を製造する企業として知られ、スマートフォン、家電、パソコン、自動車、産業機器、航空機など、幅広い産業の内部で使われる“縁の下の力持ち”となる部品を供給しています。高精度化、小型化、省エネ化が求められる分野に強みがあり、世界各国の大手企業へ製品を提供しています。

同社は、旧ミネベア(精密部品メーカー)とミツミ電機(電子機器メーカー)が経営統合したことで誕生しており、機械加工部品と電子制御系部品の両方を高いレベルで組み合わせた製品群を持つことが大きな特徴です。これにより、精密機械技術・電子技術・制御技術を複合した高付加価値の製品を開発でき、スマホや自動車向けの複合ユニット製品でも存在感を発揮しています。

主力の「機械加工品事業」では、小径・超小径ボールベアリングを中心に、精密機械加工技術を活かした回転機構部品を製造しており、世界トップクラスのシェアを持っています。これらはスマートフォンの振動モーター、HDD(ハードディスク)、車載モーター、家電などの内部に組み込まれ、滑らかな動作や耐久性向上に欠かせない部品です。

また「電子機器事業」では、スマートフォン向けカメラアクチュエーター、車載向けセンサー、電源関連部品、半導体デバイス、ワイヤレス通信部品など、電子技術を中心とした幅広い製品を展開。特に光学・センサー技術の進化により、スマホの高機能化や車のADAS化(先進運転支援)に貢献しています。

さらに自動車関連では、電動パワーステアリング用トルクセンサー、モーター関連製品、車載用半導体部品など、EV化・電子化の進展を背景にして需要が拡大している分野で存在感を高めています。医療機器、航空・宇宙産業向けの精密部品でも実績があり、高い品質要求を満たす技術力を持っています。

ミネベアミツミはグローバル展開にも積極的で、アジア・欧州・北米など世界中に生産拠点と顧客ネットワークを持ち、売上の大部分を海外市場が占めています。小型・精密・高効率といった分野で強い競争力を持ち、エレクトロニクス・自動車・産業機器の成長と共に事業領域を広げ続けています。

ミネベアミツミ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
23.3 1,292,203 101,522 96,120 77,010 187.6 40
24.3 1,402,127 73,536 75,545 54,035 133.1 40
25.3 1,522,703 94,482 82,609 59,457 147.6 45
26.3予 1,510,000 97,000 87,000 68,500 170.6 50

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 44,093 -106,275 37,875
2024 101,759 -76,299 -30,208
2025 133,672 -125,772 63,996

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 7.8% 12.1% 5.9%
2024 5.2% 7.6% 3.8%
2025 6.2% 7.9% 3.7% 高値平均:21.4倍
安値平均:14.0倍
1.51倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

ミネベアミツミの直近3年の数字を見ると、まず安定的に高い利益水準を維持している点が大きな特徴です。売上は1.29兆円 → 1.52兆円へと堅調に拡大し、営業利益も年度によって上下はあるものの、734億円(24.3期)から944億円(25.3期)へ再び回復しており、26.3期予想でも970億円の見通しが出ています。営業利益率は 7.8% → 5.2% → 6.2% と変動はありますが、製造業として十分高いレベルで、収益性は明らかに優秀な部類に入ります。

純利益も770億円から594億円へ一時的に減少したものの、26.3期予想では685億円まで再度回復する見込みです。EPSも133円 → 147円 → 170円と増加傾向にあり、企業としての利益成長がしっかり続いています。ROEは 12.1% → 7.6% → 7.9% と変動はありますが、特に12%台を記録した23.3期の数字は極めて高い水準で、資本効率の良さが際立っています。直近期の7〜8%台でも製造業として標準以上であり、企業体質は健全そのものです。ROAも3〜5%台と高めで、収益性と資産効率のバランスが取れています。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均で21.4倍、安値平均で14.0倍というレンジで推移しており、成長株としては許容範囲の水準です。同業メーカーの中でも、技術競争力・製品の独自性が高いため、15〜20倍程度は妥当と言える価格帯です。PBRは1.51倍と、純資産価値よりやや高めの評価をされていますが、ミネベアミツミの独自技術と高収益モデルを考えると、割高とまでは言えません。むしろ利益成長が続く限り、PBR1.5倍前後は十分許容できる水準です。

全体を総合すると、ミネベアミツミは
「収益性が高く、利益も安定しているため、安心感のある成長製造業」
と評価できます。営業利益率・ROE・ROAすべてが製造業として高く、財務面と収益面の安定性はかなり強い部類です。業績が毎年大崩れしにくい企業体質であり、スマホ部品・車載部品・精密部品の需要が底堅く、複数の市場で幅広く稼げる強みがあります。

一方で注意点として、PERは低くはないため、割安株というより「標準〜やや高めの評価を受けている成長銘柄」という位置づけです。景気変動やスマホ需要の波の影響は多少受けますが、利益率が高いため、極端に落ち込むリスクは小さめです。

最終的にまとめると、
ミネベアミツミは収益性が高く、利益の安定度も強く、成長力を背景とした“質の高い製造業銘柄” です。
短期よりも中長期での保有に向いており、今後のスマホ需要回復、車載部品市場の拡大、精密部品需要の増加などが追い風となれば、株価のさらなる上昇余地があります。逆に急落リスクは相対的に小さいため、堅実な成長銘柄を求める投資家には向いています。

配当目的とかどうなの?

ミネベアミツミの予想配当利回り(2026・2027年度)は1.69%と、日本株としては明確に低めの水準です。利回りだけを見ると、配当目的で積極的に投資したい銘柄とは言えません。配当で収益を得るタイプの投資家にとっては、もう少し利回りの高い銘柄を選んだ方が効率が良いケースが多いです。

ただし、ミネベアミツミは利益の安定性が高く、営業利益率やROEが比較的強い企業であるため、配当余力という点では大きな不安はありません。高配当ではないものの、業績が大きく崩れにくい体質のため、配当が大幅に削られるリスクは小さめです。また、配当性向も無理のない範囲に収まっており、会社としては安定的に配当を出す姿勢を維持しています。

しかし、利回り1.69%という数字は、配当収入を主目的とする投資家にとっては物足りず、ミネベアミツミはどちらかと言えば「成長性」や「収益性の高さ」で評価するべき銘柄です。株主還元よりも、事業拡大と利益成長に重きを置いている企業のため、配当狙いで保有するメリットは限定的です。

総合すると、ミネベアミツミは「配当よりも成長力で勝負する製造業」であり、安定した利回りを求める投資家よりも、業績拡大や株価上昇を期待する投資家に向いた銘柄と言えます。配当目的だけで見ると魅力は小さく、高配当株として扱うタイプではありません。

今後の値動き予想!!(5年間)

ミネベアミツミの現在値2,949.5円を基準に今後5年間の株価を予想すると、同社は精密部品分野で世界的に競争力が高く、利益率やROEも比較的安定しているため、長期成長の恩恵を受けやすい銘柄です。一方でスマートフォン需要や車載部品需要の波、為替変動による影響も受けるため、シナリオごとに将来株価の差が出るタイプでもあります。

良い場合は、スマホ市場の回復、自動車の電子化・センサー需要の拡大、半導体関連部品の成長が同時に進み、営業利益率が6〜8%台で安定するケースです。その場合、株価は評価が見直され、5年後には4,200〜5,000円台まで上昇する可能性があります。業績が想定以上に伸びた場合は5,500円台も視野に入ります。

中間の場合は、堅調な成長は続くものの急拡大はせず、営業利益率が5〜6%程度で推移するパターンです。この場合、株価は現在値からある程度上昇するものの、大きく跳ねるわけではなく、5年後は3,200〜3,800円程度で落ち着く見通しです。業績が横ばい〜緩やかに成長し、株価はゆっくりとした上昇トレンドになるイメージです。

悪い場合は、世界景気の後退やスマホ需要の低迷が続き、車載部品市場の競争激化も重なるケースです。営業利益率が4%前後まで低下し、利益が頭打ちになると、5年後の株価は2,200〜2,600円程度まで下落する可能性があります。市場全体がリスクオフに傾くと、PBR1倍付近(2,000円台前半)まで売られる場面も想定されます。

総合すると、ミネベアミツミは「下値は比較的固いが、上昇幅も業績次第で大きく変わる」銘柄です。中長期では成長寄りの製造業として堅実に株価を伸ばす力がありますが、スマホ・車載・精密部品といった需要の波が株価に反映されやすいため、良い場合と悪い場合の差が出やすいのが特徴です。5年スパンで考えるなら、中間シナリオを軸にしつつ、好調期には4,000円台を狙える銘柄と言えます。

この記事の最終更新日:2025年11月14日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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