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三菱電機(6503)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

三菱電機とは

三菱電機は、日本を代表する総合電機メーカーの一つで、エネルギー、産業機器、FA(ファクトリーオートメーション)、半導体、鉄道システム、空調機器、エレベーターなど、幅広い領域で事業を展開する巨大グローバル企業です。創業100年以上の歴史を持ち、「製造業・社会インフラ・エネルギー・電子技術」を柱に、国内外で社会基盤を支える製品・システム・サービスを提供しています。

同社の事業は多岐にわたり、まず「FA(ファクトリーオートメーション)システム事業」は三菱電機の中核分野で、PLC(制御装置)、サーボモーター、ロボット、数値制御装置など、工場自動化に欠かせない製品を提供しています。この分野では世界トップクラスの実績を持ち、日本国内の製造業だけでなく、アジア・欧米に幅広く展開しており、世界中の工場の効率化・自動化を支える企業として知られています。

「電力・エネルギーシステム事業」では、発電所で使われるタービン・発電機、送配電システム、電力インフラ管理システムなどを取り扱い、各国の電力インフラを支えています。再生可能エネルギーや電力安定供給が重視される中で、三菱電機の技術は重要な役割を担っています。

「交通システム事業」では、鉄道車両用のインバーター、モーター、ブレーキ制御装置、電力供給設備、信号システムなどを製造し、日本国内だけでなく海外の鉄道プロジェクトでも多数採用されています。鉄道の安全性・省エネ化・高速化に関わる技術を提供し、世界の鉄道インフラを支える主要企業の1つです。

「ビルシステム事業」では、エレベーター、エスカレーター、ビル管理システム、防災設備などを展開。海外ではアジアや中東などで大規模案件も多く、都市化の進展とともに需要が伸び続けています。

「空調・冷熱事業」も非常に強い分野で、「霧ヶ峰」ブランドの家庭用エアコンをはじめ、業務用空調、ビル用マルチエアコンなどを幅広く展開しています。国内トップクラスのエアコンメーカーであり、海外でも省エネ性能や信頼性の高さが評価されています。

「半導体・デバイス事業」では、パワー半導体、光デバイス、赤外線センサー、フォトカプラなどを製造し、自動車、家電、産業機器、通信機器など多様な製品に組み込まれています。特にパワー半導体はEV(電気自動車)や電力制御に必須のデバイスで、世界的にも需要が高まっています。

さらに、宇宙関連では人工衛星、気象観測衛星の開発や衛星搭載機器も手掛けており、航空宇宙分野でも確かな技術力を持っています。

三菱電機はこのように、社会インフラから製造業、公共システム、住宅設備、電子デバイスまで幅広く関わっており、景気に左右される分野もあるものの、安定した事業基盤を持つ企業です。技術力と品質に強みを持ち、国内外で長期的に需要が見込まれる領域に多くの事業を展開しているため、持続的な成長が期待される大手総合電機メーカーです。

三菱電機 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
23.3 5,003,694 262,352 292,179 213,908 101.3 40
24.3 5,257,914 328,525 365,853 284,949 135.7 50
25.3 5,521,711 391,850 437,265 324,084 155.7 50
26.3予 5,400,000 430,000 470,000 340,000 165.1 55

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 166,711 -148,533 -119,568
2024 415,479 -94,119 -240,118
2025 455,905 -191,750 -265,333

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER(実績) PBR(実績)
2023 5.2% 6.6% 3.8%
2024 6.2% 7.6% 4.6%
2025 7.0% 8.2% 5.0% 高値平均:18.2倍
安値平均:11.9倍
2.14倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

三菱電機の直近の業績を見ると、売上・利益ともに着実に伸び続けており、非常に安定感のある収益構造が際立っています。営業利益は2623億円 → 3285億円 → 3918億円と順調に増加し、営業利益率も 5.2% → 6.2% → 7.0% と年々改善しています。この利益率の推移だけでも、三菱電機が確実に収益体質を強めていることがわかります。

純利益も2,139億円 → 2,849億円 → 3,240億円と一貫して増加しており、26年3月期には3,400億円が見込まれています。これだけ利益規模が大きい企業が安定的に増益を続けるのは極めて評価できるポイントで、EPSも101円 → 135円 → 155円 → 165円と右肩上がりが続いています。大型電機メーカーの中でも、ここまで安定した増益が続いている企業は限られます。

ROEは 6.6% → 7.6% → 8.2% と着実に上昇し、10%に届く水準へ近づいています。製造業でROEが8%を超えてくると“優良企業寄り”の評価に入るため、三菱電機の資本効率は改善が進んでいる状態です。ROAも 3.8% → 4.6% → 5.0% とじわじわ上昇しており、総資産を効率的に利益へ変えている姿が数字に表れています。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均18.2倍、安値平均11.9倍と、標準的〜やや割安寄りの評価です。電機大手としては無理のない評価で、業績の堅調さを考えるとPER15倍前後が妥当なラインとも言えます。PBR2.14倍はやや高めですが、利益成長と収益性の改善が続いている点を考えると、過大評価というほどではありません。むしろ収益力が伸びている分のプレミアムが乗っている段階です。

総合的に見ると、三菱電機は「利益の伸び・財務の安定性・効率性の改善が揃った堅実な大型優良株」と評価できます。特に営業利益率とROEが着実に上向いている点は非常に強いプラス材料で、事業改革やコスト最適化の効果がしっかり出ていることを示しています。

急成長株というよりは、“安定して成長し続ける重厚長大型の実力企業” という性格が強く、長期投資向きです。景気の影響を受ける場面はあるものの、事業ポートフォリオが広く、特定分野が落ち込んでも他の分野が支える構造になっているため、業績が大崩れしにくい点も魅力です。

結論として、三菱電機は安定性と成長性のバランスが良く、長期保有で報われやすい優良銘柄と言えます。配当・株価上昇どちらも狙える企業ですが、特に中長期の株価成長を目的とした投資に適しているタイプです。

配当目的とかどうなの?

三菱電機の予想配当利回り(2026・2027年度)は1.29%と、日本株の中では低めの部類に入ります。利回りだけを見ると、配当収入を目的とした投資にはあまり向かず、高配当株として選ばれるタイプではありません。2〜4%台の利回りが一般的な高配当銘柄と比較すると、明確に物足りない水準です。

ただし、三菱電機は利益が安定しており、営業利益・純利益ともに右肩上がりが続いています。EPSも101円 → 135円 → 155円 → 165円と順調に成長しており、配当を支える利益基盤は非常に堅固です。そのため「減配リスクは低い」という点では安心感があります。収益性も改善しており、ROE・営業利益率が上がっている分、将来的に増配の可能性がある点もプラスです。

しかし現状の利回り1.29%では、三菱電機は完全に「成長型の大型優良株」であり、配当よりも中長期の株価成長を狙う銘柄という位置づけになります。配当収入だけで戦う投資家が選ぶ銘柄ではなく、安定した企業を長期で保有し、緩やかな増配と株価上昇を期待するタイプの投資に向いています。

総合すると、三菱電機は配当目的だけで選ぶには利回りが低いが、安定感のある企業で減配リスクが小さく、中長期では増配余地もある堅実な銘柄という評価になります。配当より“株価の着実な成長”を重視したい人向けです。

今後の値動き予想!!(5年間)

三菱電機の現在値4,237円を起点に5年先を見据えると、この企業は利益成長がしっかりしていて収益性も改善傾向にあり、かなり“堅実な成長株”という位置づけです。ただし、既に評価が一定以上進んでおり、爆発的な上昇を期待するにはハードルがあるため、シナリオによって大きく株価が分かれる可能性があります。

良い場合
ファクトリーオートメーション(FA)、パワー半導体、鉄道インフラ、空調・冷熱分野などの成長ドライバーが同時に勢いを強め、営業利益率やROEの改善が想定以上に進んだケースです。このシナリオでは、株価は現在値から大きく上昇し、5年後には7,000〜9,000円台に到達する可能性があります。特にEV・再生エネルギー・ロボット化の流れが強まれば、9,000円超の水準も狙えるでしょう。

中間の場合
成長は堅調だが急加速とはいかず、営業利益率・ROEともに徐々に改善するものの大きなジャンプには至らないケースです。この場合、株価は5年間でゆるやかに上昇し、5年後には5,500〜6,500円あたりに落ち着く見込みです。現在値からの上昇余地はあるが、「すぐに倍になる」という展開ではなく、穏やかな右肩上がりです。

悪い場合
世界景気の減速、設備投資の鈍化、技術競争激化、為替逆風などが重なって成長が鈍るケースです。営業利益率の改善が止まり、ROE成長も伸び悩むと、評価が見直される可能性があります。このシナリオでは、株価は現在値を下回る可能性もあり、5年後には3,000〜4,000円台、最悪の場合2,500〜3,000円付近になることも考えられます。

総じると、三菱電機は「成長+安定性」がバランスよく備わった銘柄であり、5年という中期スパンでは十分な上昇余地があります。しかし、既に評価が進んでいる分“大化け”を狙う銘柄ではなく、確実に成長を享受するタイプです。長期保有ならば現在値4,237円はまずまずの出発点であり、上昇余地を狙えるタイミングと捉えられます。

この記事の最終更新日:2025年11月14日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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